足首をひねった
変形した足が痛い
など
首を動かせない
はりを感じる
など
肩が痛くて
腕が上がらない
痛くて夜寝られない
など
腕が痛くて動かせない
しびれが気になる
など
肘が痛くて物が持てない
作業やスポーツで痛む
など
痛みのために
力が入らない
指の動きが悪い
など
痛くて作業や動作に
支障がある
朝起きると痛い
など
動かすと痛い
はりを感じる
など
動き始めで膝が痛い
階段の昇り降りがつらい
など
痛くて作業や動作に
支障がある
歩くとしびれが増す
など
動かすと痛い
はりを感じる
など
検査や治療をしたい
骨粗しょう症を
予防したい
など
交通事故をした時の
対処法
首・腰など後遺症の治療
など
症状
足首をひねって、関節を支持している靭帯を痛める怪我です。足首の捻挫は、多くの場合足首を内側にひねっておこりますので(うち返し捻挫)、足首の外側の靭帯が傷みます。外くるぶしの前下方に痛みが起こります。痛みで体重がかけられなかったり、腫れが強かったり、皮下出血が多い場合は重症の可能性があり注意が必要です。(時に足関節骨折であることがあります。)
原因・病態
スポーツ中にジャンプの着地で人の足の上にのったりして、足首を捻ることによって起こります。スポーツだけでなく仕事や日常生活でも、くぼみや段差で足をとられたりして起こります。
治療
受傷直後の現場では、RICE(安静、冷却、圧迫、挙上)処置を行います。 軽症の場合はバンデージやサポーターで治療を行います。症状の程度に応じて、U字キャストやギプスによる固定を行うこともあります。固定除去後はサポーターなどで保護しながら、足関節の動きを回復させ、再度の捻挫を予防するために足関節周囲筋の筋力訓練を行います。
症状
足の親指(第1趾・母趾)が体の外側に曲がって変形(外反)し、指の付け根内側が突出し、その部分が靴の中で圧迫され痛みを生じます。足の裏にタコ(胼胝(べんち))ができて痛みを伴ったり、外反した母趾がとなりの指を押したり重なったりすることで、第2趾や第3趾に変形や痛みを生じることもあります。
原因・病態
外反母趾の発生には、
・生まれつきの足の形(第2趾よりも第1趾の長いエジプト型の足が外反母趾になりやすいです)
・履物(先の細い靴・ハイヒールなどの踵の高い靴を長時間はくと、体重が足の前方部にかかり、足の指に強い圧力がかかります)
・加齢(肥満や筋力低下により足のアーチがくずれます)
などが関係しています。
一般人が靴を履かなかった時代、外反母趾になるのは一部の高貴な身分の人のみでしたが、第2次世界大戦後から多く見られるようになりました。
治療
見た目とレントゲン撮影で判断します。外反母趾診療ガイドラインでは、外反母趾角(母趾の骨と中足骨とのなす角度)が20度以上で外反母趾と診断します。20度~30度が軽度、30度~40度が中等度、40度以上が重度に分類されます。
症状
朝起きて最初の1歩を踏み出す時に、踵(かかと)の内側前方に痛みを感じます。同様に、長らく椅子に腰掛けたのちの歩きはじめにも踵が痛みます。我慢して歩くうちに痛みが徐々に和らぐことがあります。夕方になって歩く量が増えてくると、再び痛みが強くなってきます。
同様の症状がスポーツ活動の際にもみられます。ランニングの開始時に痛みを感じ、運動を続けるうちに徐々に和らぎ、長距離を走ると再び痛みが強くなります。
原因・病態
足底腱膜は足底にあって足の縦アーチを保持しており、その骨の付着部位には、強い牽引力(引っ張る力)とともに着地時の荷重による衝撃(圧迫力)の両方が加わっています。長時間の立ち仕事や歩行、靴の不適合、スポーツ(ランニングやジャンプなど)により過度の負荷がかかります。中年期の女性であれば、筋力低下や体重増加も負荷を大きくします。
縦アーチを崩す、伸ばすような負荷が繰り返しかかることにより、足底腱膜の付着部にストレスが集中して微小外傷(小さな傷)や変性が起きて痛みが生じます。
初期には足底腱膜の付着部に微小外傷があらわれます。進行にともなって、石灰化・骨化といった変化が見られるようになり、レントゲンで骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨のトゲがみられることもあります。
治療
足底腱膜が踵の骨に付着する部位に圧痛(押さえた時の痛み)があります。
歩きはじめ及び長時間の歩行・走行時のいずれかに、足底腱膜の付着部周囲に痛みがあらわれます。
上記のような症状が認められた場合、足底腱膜炎と診断されます。
治療は、
・消炎鎮痛剤の内服や外用薬(湿布や塗り薬)を用います。
・アキレス腱や足底腱膜のストレッチを行います。
・踵の痛みのある部位に衝撃吸収材を用います。
・最も痛む部位に部分的な凹みを施した靴の中敷きを用います。
・痛みが非常に強いときは局所注射(痛み止めや炎症止め)を行います。
上記の治療法を、組み合わせながら行います。
足底挿板(そくていそうばん)は、適当に穴をあけてもらったものを用いると、かえって痛くなることもあります。整形外科の医院・病院で、ご自分の足に合わせて型をとってもらい、もっとも痛む場所を良く調べて作ってもらうことが大切です。
当院では、義肢装具士による足底挿板やコルセット等の作成を行っておりますので、どうぞご相談ください。(義肢装具士は、義肢及び装具の装着部位の採寸・採型、製作及び身体への適合を行うことのできる国家資格です)
足底挿板を用いることで痛みが取れてきたら、外して保管しておいてください。再び痛むことがあった場合は、保管しておいた足底挿板を使用してください。
症状
典型的な症状は、運動・練習量の増加に伴い、徐々に下腿内側の下1/3やや後方に広い範囲(5~10cm)で痛みが出現するものです。陸上競技の中・長距離選手や、サッカー・バスケットボールなど走ることの多い競技に起こり、両側にみられることが多いのも特徴です。オーバーユースによる代表的なスポーツ障害の一つといえます。
原因・病態
下腿(脛骨)には、ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋といった下腿筋群が付着しています。走動作により筋の牽引が繰り返され、骨の表面で過労性(疲労性)骨膜炎を引き起こします。シューズの状態(すり減ったかかとや、クッション性の悪いもの)、サーフェイス(硬い路面での練習)、ウォームアップ不足、極度の扁平足も要因となります。
圧痛が限局した範囲で特に強い場合は疲労骨折の可能性があるので、疑わしければレントゲン検査で骨変化が無い事の確認が必要です。骨変化があれば疲労骨折と診断されます。MRIなどによる詳細な検査を行うこともあります。
治療
痛みを軽減させるとともに、発症の要因に対するアプローチ・改善が治療の原則です。
運動中に痛くてもパフォーマンスに影響しない程度であれば練習量の制限は必要なく、アイスマッサージ、ヒラメ筋を主とした下腿筋群のストレッチングを行います。運動中の痛みにより走動作に影響している場合は練習量の制限・休止が必要になります。アイスマッサージ、ストレッチング、消炎鎮痛剤の内服・外用を行います。痛みが軽快しランニングを開始しても、ストレッチは必ず続けるようにします。
扁平足による足底アーチの低下や過回内足の改善には、テーピングや衝撃吸収性と内側アーチを備えたインソールの使用が有効です。当院では、義肢装具士によるインソールの作成を行っております(義肢装具士は、義肢及び装具の装着部位の採寸・採型、製作及び身体への適合を行うことのできる国家資格です)。
トレーニング内容やシューズを再検討する(クッション性が良くかかとの安定したものを選ぶ)ことも予防につながります。
症状
足にある縦と横のアーチが崩れて低下した状態を扁平足といいます。
扁平足の治療は小児期・思春期・成人期に分けて考えるのが一般的です。
【小児期】
歩きはじめの時期に、足の裏が平べったいことにご家族が気づかれますが、ほとんどの子供さんは特に困っていません。時に、長く歩くと足に痛みを感じたり、疲れて歩けないという症状があります。立って体重をかけた時には土踏まずがべったりと接地していますが、体重をかけていない時は土踏まずができています。転びやすいと感じることはありますが、歩き始めの時期は転びやすいもので、扁平足が原因ではありません。
【思春期】
同様にアーチが低下して土踏まずが設置した状態です。このような変形をもったまま立ち仕事をするなど長時間の立位をとると、足の内側から下腿にかけて痛みを感じるようになります。
原因・病態
【小児期】
起立や歩行で体重が負荷されると、足のアーチ構造が耐えられず扁平足が起こります。ほとんどの扁平足は病的ではない生理的なもので、健常児でもみられる荷重時の足の変形です。時に先天的な病気が原因となっていることもあるので、これを除外診断することが必要です。
【思春期】
中学生や高校生になり、体重増加に加えてスポーツ活動が活発になってくると起こります。まれに、足の骨の一部が先天的に癒合している変形が原因となっていることがあります。外脛骨という過剰骨をともなっておこることもあります。
治療
【小児期】
ほとんどの場合は生理的な扁平足で、成長に伴って自然にアーチが形成されます。できるだけ裸足(はだし)の生活を心掛け、足趾(そくし)を使うことで足の裏の筋肉を鍛えましょう。つま先立ち(背伸び)で踵を高く上げる体操、つま先立ちでのケンケン、足の外側縁で歩く運動、などが効果があります。少し大きくなったら、足趾じゃんけんをして遊ぶようにします。
アーチの低下が著しい場合には、アーチサポート付きの足底挿板(そくていそうばん)を作成・使用することもあります。当院では、義肢装具士によるインソールの作成を行っております(義肢装具士は、義肢及び装具の装着部位の採寸・採型、製作及び身体への適合を行うことのできる国家資格です)。
【思春期】
外用薬(湿布や塗り薬)を使用するほか、縦アーチのついた中敷きを作成し日常的に履く靴のに入れて使用します。扁平足にならないように支えている筋肉である後脛骨筋を、内がえし運動を行って鍛えます。つま先立ち(背伸び)運動、タオルギャザー、足趾じゃんけんなどで足底筋を鍛えます。
症状
頚椎症による首の局所症状で、首や肩甲骨付近の痛み、肩こりといった症状があります。首を動かすと痛みが増します。上を見たり、うがいをするときの動作がうまくできないことがあります。 脊髄の枝(神経根)が圧迫されて、主に片方の首~肩~腕~手にかけて痛み、しびれ、力が入りにくいなどの症状が出ます。
原因・病態
頚椎(くびの骨)は7個の骨からなり、骨と骨の間にある椎間板はクッションの役目をしています。椎間板は20代から変性(年齢による変化)が始まるといわれています。
長年にわたり頭部を支えながら動くことで、徐々につぶれてくるなど椎間板の変性が進行します。 これに伴って骨が変形して出っ張る骨棘(こつきょく)が生じ、これが神経根(脊髄が枝分かれして体の各部分に向かう神経の根っこの部分)に触れると神経根症の症状が出ます。
治療
日常生活では、良い姿勢を保ち、頚椎に対する負担をできるだけ減らすことが重要です。首が後方にそらないように心がけましょう(美容院での仰向けのシャンプー、高いところを見上げる動作を避ける等)。ソファなどで姿勢を崩して寝ることや、電車や車に長時間座り続けることは頚椎に負担をかけますので注意してください。
治療としては、薬物療法、装具療法(頚椎カラー)、消炎鎮痛リハビリテーション(頚部の牽引や温熱療法)、運動器リハビリテーション(頸に負担のかからない姿勢の指導や日常生活動作指導を行うことで症状を軽減し、再発を予防する)があります
症状
肩に痛みが生じて関節の動きが悪くなります。主に50歳代を中心とした中高年の方に多い症状です。 発症初期は痛みが強く、寝返りをすると肢位がズキズキ痛み、眠りを妨げます。痛い方を上にしてやや屈曲位にすると痛みは緩和します。(炎症期 2-6か月)
その後は動きの制限・動かしたときの痛みが主な症状になります。(拘縮期、寛解期)
江戸時代の俚諺集覧には、『凡、人五十歳ばかりの時、手腕、骨節の痛むことあり、程すぐれば薬せずして癒ゆるものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいう。又、長命病という』と記されています。
原因・病態
諸説ありますが、肩関節を構成する筋肉や腱などの組織が加齢とともに退行変性することに加えて、運動不足や悪い姿勢により骨盤・胸郭の動きが低下している状態のまま腕を使用することで、肩関節に過剰な負荷がかかり発症する、と考えられています。
治療
肩関節周囲炎の病期(病状の進行度を分類したもの)は、
①夜間痛や安静時痛が強い炎症期(2-6か月)
②可動域の制限や可動時痛がメインの拘縮期(3-12か月)
③可動域が改善していく寛解期(12-24か月) に分けられます。
炎症期で痛みが強い時期は安静を第一とし、痛みのコントロールを優先します。痛みを抑えるための内服薬、注射、消炎鎮痛リハビリテーションを行います。痛みがある程度治まってから、積極的に肩を動かします。 日常生活では肩用サポーターを使うなど肩を冷やさないようにしましょう。仰向けに寝ると痛い場合には、肘の下にクッションを入れるとよいことがあります。
拘縮期・寛解期は、緊張緩和や可動域拡大をコンセプトにした積極的なリハビリテーションを行います。1-2年で自然に治癒することがほとんどですが、早く症状を楽にするために積極的に治療を行います。
症状
腕を上げ下げする時に肩の痛みや引っかかりを感じたり、反対の腕で痛いほうの腕を持ち上げれば上がるのに自力で持ち上げようとすると痛くて出来ない、といった症状が出ます。
痛みは、主に三角筋やその付着部に感じます。夜間に同じ姿勢を続けていると痛んだり、肩を下にして眠れない・逆に上にすると痛む、などの症状が出ます。
筋力低下により、腕を伸ばした状態では重いものが持てない、長時間ハンドルを握って運転しづらい、後ろにあるものをとれない、などの症状を自覚することがあります。
原因・病態
肩腱板は上腕骨と肩甲骨をつなぐ板状の腱で、腕を上げたり下げたりする時に上腕骨頭が肩甲骨の関節窩とずれないように保つ、肩関節の支点を保つ働きがあります。これが断裂すると腕の上げ下げで肩関節の支点がとれなくなり、痛みや引っかかりなどの症状が出ます。
加齢による腱板の変性を基盤として、転倒など様々な程度の外傷が加わって断裂することが考えられています。腱板は肩峰と上腕骨頭の間に挟まれる形をしており機械的なストレスとを受けやすいことも一因です。
症状に加えて、超音波(エコー)検査やMRIで診断を行います。
治療
痛みが強い場合は、炎症を抑えるためにステロイドなどの注射や消炎鎮痛剤の内服を行います。
断裂した腱板が完全に自然修復することは期待できないので、代償機能を獲得することが目標になります。
眠れないほどの痛みや安静時の痛みが和らいでから、肩甲骨・脊柱・骨盤などの動きをよくするリハビリテーションや、切れないで残った腱板の動きをよくするリハビリを行います。
十分な保存療法を行っても症状が改善しない場合は、腱板をもとの位置に戻して縫合する手術を考慮します。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
外傷などの誘因なく、多くは夜間に急激な肩の激痛が生じます。急性期には肩を自分で動かすことはほとんど不可能になります。
女性に好発し、50歳代に最も多く次いで40歳代に多くみられます。
原因・病態
腱板内に石灰沈着を生じ、これが滑液包内に破れた時に痛みが発生するとされています。レントゲンで上腕骨頭周囲に石灰沈着が見られれば確定診断します。石灰沈着があっても、激しい痛みは生じず上肢挙上時の痛みや引っかかりを呈する場合もあります。全く症状のない石灰沈着もありますので、症状と合わせて診断します。
治療
急性の炎症症状を呈している場合には、局所のアイシングと安静、消炎鎮痛剤の内服を行います。
肩峰下滑液包へのステロイド剤と局所麻酔剤の注射を行いますが、局所麻酔剤を注入しながら石灰の吸引を行う方法もあります。
上記の保存的治療を行っても症状が残ったり再発を繰り返す場合には、沈着物質を取り除く手術を考慮します。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
頚椎症による首の局所症状で、首や肩甲骨付近の痛み、肩こりといった症状があります。首を動かすと痛みが増します。上を見たり、うがいをするときの動作がうまくできないことがあります。
脊髄の枝(神経根)が圧迫されて、主に片方の首~肩~腕~手にかけて痛み、しびれ、力が入りにくいなどの症状が出ます。
原因・病態
頚椎(くびの骨)は7個の骨からなり、骨と骨の間にある椎間板はクッションの役目をしています。
椎間板は20代から変性(年齢による変化)が始まるといわれています。
長年にわたり頭部を支えながら動くことで、徐々につぶれてくるなど椎間板の変性が進行します。 これに伴って骨が変形して出っ張る骨棘(こつきょく)が生じ、これが神経根(脊髄が枝分かれして体の各部分に向かう神経の根っこの部分)に触れると神経根症の症状が出ます。
治療
日常生活では、良い姿勢を保ち、頚椎に対する負担をできるだけ減らすことが重要です。首が後方にそらないように心がけましょう(美容院での仰向けのシャンプー、高いところを見上げる動作を避ける等)。ソファなどで姿勢を崩して寝ることや、電車や車に長時間座り続けることは頚椎に負担をかけますので注意してください。
治療としては、薬物療法、装具療法(頚椎カラー)、消炎鎮痛リハビリテーション(頚部の牽引や温熱療法)、運動器リハビリテーション(頸に負担のかからない姿勢の指導や日常生活動作指導を行うことで症状を軽減し、再発を予防する)があります。
症状
示指・中指を中心にしびれ、痛みがでます。しびれは環指・母指に及ぶこともあります。これらは明け方に強くなり、手を振ることで楽になります。指の朝のこわばりや腫れた感じがすることもあります。
進行すると母指の付け根(母指球)がやせてきて、縫い物やボタンかけなどの細かい作業が困難となったり、つまむ動作が行いにくくなります。
原因・病態
正中神経が手首にある手根管部で圧迫されることが原因です。手根管は手根骨と横手根靭帯(おうしゅこんじんたい)で囲まれたトンネルで、その中を指を曲げる腱や正中神経が走行しています。
女性に多くみられ(男女比は1:10)、妊娠・出産・更年期に発症することがあります。その他、手を使う動作、透析、外傷も誘因となります。
手首(手関節)をたたくとしびれ、痛みが指先にひびきます(ティネル徴候)。手首を曲げると症状が悪化します(手関節屈曲テスト)。さらに神経伝道速度の計測を行うこともあります。
治療
手の使いすぎを止め、局所の安静を保ちます。
飲み薬の内服の他、手関節の安静を保つために装具で固定することもあります。
ブロック注射(手根管内にステロイドを含む注射をします)を行うこともあります。
上記の保存治療を行っても改善に乏しい場合、手術を考慮することもあります。横手根靭帯を切離することにより正中神経の圧迫を除去します。提携先病院を中心に、手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
て縫合する手術を考慮します。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
物をつかんで持ち上げるような動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。タオルを絞る時などにも痛みが出ます。
30~50歳代の方に発症することが多く、テニスプレーヤーによくみられることからテニス肘ともよばれます。
原因・病態
病態については十分わかっていませんが、前腕にある手関節伸筋(主に短橈側手根伸筋)の繰り返す使用により、肘外側部の起始部で微細な損傷が生じて発症すると考えらえています。
治療
以下の治療法を、組み合わせながら行います。
・手関節や手指のストレッチをこまめに行います。
・仕事や日常生活において、手関節背屈(手首の関節を甲の方向に反らせること)を繰り返す動作や、背屈位を保持することを避け、安静を保ちましょう。物を持つ際は、肘を曲げて手のひらを上に向けて持つと良いでしょう。
・消炎鎮痛の外用剤を使用します。
・局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射を行います。ただし繰り返す注射は組織の損傷を引き起こすこともあり注意が必要です。当院ではエコーを使用して安全確実な注射を行っています。
・テニス肘用バントを装着します。
・リハビリテーション(超音波や低周波療法)を行います。
症状
肘関節に痛みが出ます。受傷した肘をやや曲げて、腕を下げたままの状態から動かしにくくなります。
※同じような症状で他に疑われるけがとして、肘関節周囲の骨折、肘関節の脱臼、上腕・前腕骨の骨折等があります。
原因・病態
就学前の小児に多く見られます。
肘関節の中にある橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼する(はずれかかる)ことによって起こります。
転倒しかけた子を支えようとして急に手を引っ張ったり、逆らう子の手を無理に引っ張ったりして発症することが多いですが、受傷機転がはっきりしなかったり転倒など他の受傷機転で発症することも稀ではありません。
治療
受傷機転や症状から肘内障であることが明かであるときは特に検査は必要ありませんが、圧痛が非常に強かったり明らかな腫脹や変形があれば骨折・脱臼を疑ってレントゲンを撮ることが必要です。
治療は、亜脱臼した状態を整復することです。肘内障の整復は時間の経過とともに難しくなりますので、受傷したその日のうちに整形外科を受診することが必要です。
整復後は特に固定などは必要なく、いつも通り腕を動かしてかまいません。予後は良好で特に後遺障害は残りませんが、繰り返すこともあるので注意してください。
症状
手首の母指側に腫れと痛みが生じます。母指につく腱のうちの2本(短母指伸筋、長母指外転筋)が、手首の母指側にある腱鞘の部分で炎症を起こして腱がスムーズに動きづらくなります。
女性に多く(男女比1:7~8)、妊娠時・産後や更年期の女性によくみられるほか、スポーツマンや指をよく使う仕事の人にもみられます。
原因・病態
母指の使いすぎによる、手首の母指側での腱鞘炎です。
治療
母指を内側にいれて軽く握り、手首を小指側に曲げると痛みを生じるかどうかで診断します。(Eichhoffテスト)
以下の治療法を、組み合わせながら行います。
・手の安静を保つ
・消炎鎮痛薬の外用、内服
・手の装具による固定
・腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射を行うこともあります
・リハビリテーション(超音波)
上記の保存治療を行っても治らない場合は手術(腱鞘を切離し、腱を開放する)を行うこともあります。
症状
人差し指から小指にかけて、指先の関節(DIP関節)が赤くはれたり、曲がったりします。痛みを伴ったり、突出した骨の隆起(骨棘(こつきょく))を指背側に触れることもあります。うごきが悪くなったり、つまみ動作や強く握る動作で痛みを伴います。水ぶくれのような(ミューカスシスト)ができることもあります。
原因・病態
指の関節に生じた変形性関節症です。女性によくみられ、40-50歳代で約3割、60-70歳代で約7割の方に発症します。
関節リウマチとは異なります。
治療
痛みのある局所に、消炎鎮痛剤入りの外用剤を使用します。テーピングによる指の固定保護のほか、当院ではオーダーメイドの指固定装具の作成も行っています。
症状
手のひらの指の付け根に硬い部分ができ、押さえると痛みを感じます。指を動かすとカクッという引っかかりを感じます。朝起きた時に症状が強く、日中は症状が軽くなることも少なくありません。
原因・病態
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。指を曲げる屈筋腱には、腱の浮き上がりを押さえる靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)というトンネルがあります。指の付け根付近にある腱や腱鞘が炎症を起こして腱鞘炎になると、腱の肥大や腱鞘の肥厚が生じて通過障害を起こします。
屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こり、ゆびの付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象が生じます。これがばね指です。
更年期の女性に起こることが多く、妊娠時・産後に生じることもあります。女性ホルモンの低下による腱鞘の浮腫が原因と考えられています。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人に多いことも特徴です。糖尿病・透析患様にも発生し、母指・中指・環指に多く見られます。
治療
局所の安静で刺激を少なくしましょう。装具をあてて固定することもあります。
腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射をして、症状を抑えます。
再発を繰り返す場合や指が曲がったまま伸びないときなどに、手術を考慮します。腱鞘を切開して腱を開放します。提携先病院を中心に、手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
関節の周辺や腱鞘(けんしょう)のある所に、米粒大からピンポン玉くらいまでの腫瘤(しゅりゅう)ができます。軟らかいものから硬いものまであります。最もできやすい場所は手関節背側(手の甲側)で、手関節の曲げ伸ばしと共にガングリオンの形状は変化します。その他に手関節掌側(手のひら側)や、指の付け根の腱鞘に多くみられます。腱鞘に出来たものは他の部位と比較して小さいことが多いです。
通常は無症状で、多くの場合強い痛みはありません。ただし神経が圧迫されると痛みやしびれが出ることもあります。
手を使いすぎると腫瘤は大きくなることがあります。足など他の部位にできることもあります。
原因・病態
関節包(関節をつつむふくろ)や腱鞘(腱をつつむさや)の変性により生じます。
女性に多いですが、必ずしも手をよく使う人に多いわけではありません。
治療
ガングリオンは腫瘤のみで無症状なら、放置しても心配はありません。自然に消退することもあります。大きくなるもの、痛みが強いもの、神経が圧迫される症状が出るものには治療が必要です。
エコー(超音波装置)で内容を確認した上で、注射器で穿刺して吸引します。内容物がゼリー状ならガングリオンと診断します。
穿刺吸引しても繰り返し内容物がたまる場合には、手術により摘出することもあります。
穿刺吸引・手術のいずれの治療方法でも、再発する場合があります。
症状
手首には強い痛みがあり、腫れを生じます。転位(ずれ)がある場合には変形も伴います。指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定で反対側の手で支える必要があります。手指のしびれが生じたり、後日、母指を伸ばす腱が切れたりすることがあります。
原因・病態
手のひらをついて転んだり、自転車等で転倒して、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首のそば(遠位端)で折れる骨折です。特に閉経後の女性は骨粗鬆症のために骨が弱いことが多く、好発します。若い人でも、高所からの転落や交通事故などで強い外力が加わることで骨折します。
前腕のもう1本の骨である尺骨が同時に折れる場合もあります。
橈骨の手のひら側を走行している正中神経が、折れた骨や腫れで圧迫されることにより、手指のしびれを生じます。
診断にはレントゲン撮影を行います。治療方針の決定のために、CTを追加して行うこともあります。
治療
骨折の転位(ずれ)が軽度であったり、転位があっても整復を行って骨折部が安定している場合は、ギプス固定による保存的治療を行います。成人では4-5週間の固定を行います。ギプス固定中であっても手指は努めて動かすようにします。
整復直後でも骨折部が不安定ですぐにずれるものや、ギプス固定をしても再度転位してしまうような場合には、手術が必要になることもあります。手首の関節面の骨片がずれたままで整復できない場合や、骨折部の粉砕が強く不安定な場合も、手術を選択することがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
突き指などの外傷後に、手指の第1関節 (DIP 関節)が曲がったままとなり、自分で指を伸ばすことができなくなります(自動伸展不能)。DIP関節部の腫れや痛みを伴うこともあります。
原因・病態
突き指の一種であり、ボールが指先に当たるなどにより起こります。
①腱損傷(けんそんしょう)型(伸筋腱(指を伸ばすスジ)が切れた状態)、②骨折型(伸筋腱がついている骨の一部が折れた状態)、の2つの型があります。
①の腱損傷型は、DIP関節が急に屈曲強制されることで伸筋腱の終末が断裂するタイプで、腫れや痛みなどの症状が軽微なこともあります。②の骨折型は①と反対に症状が強く出やすいですが、伸展機構の連続性が一部保たれるためにDIP屈曲変形が軽度のこともあります。
DIP関節が曲がったままで自分では伸ばすことができなければ(手伝うと伸ばすことができる)、診断は容易です。レントゲンで骨折の有無を確認します。
治療
病型や骨折後の経過期間によって治療は異なります
①腱損傷型では一般に保存療法が行われます。DIP関節を伸展位として、6~8週間の装具・シーネ固定を行い、その後6週間は作業時や就寝時に夜間固定を継続しながら徐々に手指の運動を行います。
②骨折型でも保存療法を原則としますが、骨片が大きい場合(関節面の1/3以上)やDIP関節の亜脱臼を伴う場合は、手術療法を必要とすることがあります。
症状
背筋を伸ばして立ったり歩行を始めたりすると、しばらくして太ももや膝から下にしびれや痛み・つっぱり感があらわれ、徐々に強くなり歩きづらくなります。少し前かがみになったり腰掛けたりすると症状が軽減され、再び歩けるようになります。
このように、歩行と休息を繰り返す間欠跛行(かんけつはこう)、前かがみで少し休むと症状が楽になるのは、腰部脊柱管狭窄症の特徴です。
原因・病態
脊骨には脊髄の神経が通るトンネル(脊柱管)があり、神経は骨・椎間板・椎間関節・靭帯に囲まれてそうこうしています。加齢・労働等によって、椎間板が変性したり靭帯が厚くなって脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され血流が低下して発症します。
背筋を伸ばして立つと、神経がより圧迫されるために痛みやしびれを感じます。座ったり前かがみになったりすると、背骨の中を通る神経への圧迫が少なくなるため、症状が楽になります。
治療
リハビリテーション、コルセット、お薬(神経の血行を良くする薬や、神経由来の痛みを緩和するお薬)で症状の改善をはかります。歩行障害により日常生活に支障をきたすようであれば、手術で神経の圧迫を取り除くこともあります。
動ける範囲内でできるだけ体を動かすようにしてください。前かがみになると症状が和らぎますので、歩く際には一本杖やシルバーカーを使って腰を少しかがめると良いでしょう。自転車での移動は痛みが起こりにくく、良い運動になります。
症状
腰臀部から脚の後ろ側にかけて、痛みやしびれ・足に力が入りにくくなる麻痺の症状(いわゆる坐骨神経痛)があります。
原因・病態
椎間板は、背骨を構成している椎体と椎体の間にあってクッションの働きをしています。椎間板が加齢などで変性したり、悪い姿勢での動作や作業が原因となって、椎間板の中の髄核が脊柱管の中に出てきて神経を圧迫することで、痛みやしびれといった症状が出ます。
治療
・痛みが強い時期は、安静を心掛けてコルセットなどをします。
・いわゆる消炎鎮痛剤のほか、神経障害による痛みの治療薬、筋弛緩薬等の内服を行います。
・神経ブロックにより、局所麻酔薬で痛みの伝達をブロックします。
・腰部の牽引や、身体機能改善を目的としたリハビリテーションを行います。
上記の保存治療を、症状の程度に応じて組み合わせて行います。保存治療を行っても十分な効果が得られないときや、膀胱や直腸などに別の障害が現れた場合は手術を選択することもあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
主に腰や背中に痛みを生じます。新規に生じた骨折(新鮮骨折)では急性の腰背部痛がでます。骨折の癒合(くっついて固まること)後も背骨の変形が残った場合、背骨の支持性の低下に伴って筋疲労を生じ慢性の腰背部痛となります。
腰や背中が曲がり、身長が低下します。背骨の変形が強くなると、前屈みの姿勢が内臓を圧迫して、消化不良や便秘・逆流性食道炎などの消化器症状、息苦しさなどの心臓や肺の症状の原因となります。
原因・病態
骨粗しょう症という、骨の中のカルシウム量が減って骨の密度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気が原因です。尻もちをつくように転倒しての発症が典型的ですが、骨粗しょう症の程度がひどい場合、日常の生活の中でいつの間にか骨折を生じることもあります。
一般に、骨折してつぶれた椎体は、数か月の経過のうちに圧潰変形(つぶれたままの形)を残したまま癒合して治癒します。
しかし中には椎体の圧潰がどんどん進行し、骨折部が癒合しないまま、高度の腰曲がりと長引く痛みを残す場合があります。稀ではありますが、徐々に両脚がしびれて動かしにくくなるような神経の麻痺症状が、骨折後しばらくしてから現れる場合もあり、注意が必要です。
治療
圧迫骨折を起こさないよう、骨粗しょう症の治療を行うことが重要です。食事・運動・お薬による治療を組み合わせて行います。
圧迫骨折の治療は、コルセット等による体幹の固定、痛みに対する内服・注射、さらにリハビリテーションを組み合わせて行います。
これらの保存療法が無効の場合に、手術(骨の中にセメント等の補強材料を充填して痛みを緩和する低侵襲手術や、金属スクリューなどの内固定器具を用いた背骨の再建手術など)が選択されることがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
正常の脊柱(せきちゅう)(せぼね)は前あるいは後ろから見るとほぼまっすぐですが、「側弯症(そくわんしょう)」では脊柱が横(側方)に曲がり、多くの場合脊柱自体のねじれを伴います。
脊柱自体の変形で気づかれることもありますが、①左右の肩の高さが違う、②肩甲骨の高さと突出の程度に左右差がある、③ウエストラインが非対象である、④片側の背中や腰部が隆起している(前かがみをした姿勢で背中をみた場合)、⑤胸郭(きょうかく)が変形している、⑥スカートを履いたときにすそが傾いている、などで周囲の方が気づくこともあります。
通常、痛みなどの自覚症状はありません。側弯が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下、まれに神経障害をきたすことがあります。
原因・病態
側弯症は、①機能性(きのうせい)側弯と②構築性(こうちくせい)側弯に大別されます。
①機能性側弯は、腰椎椎間板ヘルニアなどによる疼痛や両脚の長さの違いよる代償が原因の一時的な側弯状態で、弯曲は軽度でねじれを伴わず、原因を解決すれば側弯は消失します。
②構築性側弯は、脊椎のねじれを伴った脊柱の側方への弯曲であり、もとの正常の状態に戻らなくなった状態です。下記に述べる特発性側弯症(とくはつせいそくわんしょう)の他、背骨に生まれつきの形の異常がある先天性側弯症(せんてんせいそくわんしょう)、神経が障害されたことにより背中や横腹の筋肉が麻痺し脊柱を支える力が失われて発症する神経原性側弯症(しんけいげんせいそくわんしょう)、筋肉が萎縮する病気による筋原性側弯症(きんげんせいそくわんしょう)、等があります。
これらのうち、小児の脊柱側弯症で最も多いのは、思春期の女子に多く見られる特発性側弯症で、全体の約8割を占めています。その原因はいまだ不明で、家族内発生が多いことから遺伝の関与が考えられていますが、特定の遺伝子は明らかになっていません。
症状の項で述べたような外見上の特徴により側弯症が疑われますが、脊柱のレントゲンを撮ることにより、診断が確定します。学校検診で早期に発見されることが少なくありません。
治療
治療は、側弯の程度、年齢、骨成熟度によって決められます。側弯の程度は、レントゲン写真において計測した角度(cobb(コブ)角)で表現します。治療法には、専門医による定期的な経過観察、装具療法、手術療法があります。マッサージ・カイロプラクテイスなどの民間療法には矯正効果はなく、その有効性は科学的に確認されていません。
cobb角が20°~25°以下の側弯に対しては、3~6ヶ月ごとの専門医による定期的な診察を行います。25°~40°までの側弯に対しては、進行の防止・矯正・および矯正の保持のための装具治療が行われます。40°以上の側弯に対しては、進行の防止・変形の矯正・腰背部痛の軽減・呼吸機能の悪化防止などを目的として手術治療が考慮されます。側弯が骨成熟終了時に30°~35°以上の側弯は成人後も進行することがあり、注意深い経過観察が必要です。
特発性側弯症は、成長に伴って進行する可能性があり、整形外科医による定期的な診察と治療が大切です。特発性側弯症が進行するかどうかを予測することは難しい点もありますが、一般には、年齢が若く、女子では初潮前や骨の成熟が未熟な例は進行しやすいと考えられます。
装具治療や手術治療は、提携先病院を中心に実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
ウイルス感染が原因ではないかと考えられていますが、原因ウイルスは同定されておらず未だ不明です。股関節に一過性に炎症が起こって水がたまる、股関節の風邪のような病気といえます。
レントゲンを撮影して、形態的な異常や骨質の変化の有無の他、関節液の貯留による骨頭の側方化がみられないか調べます。超音波検査を左右の股関節に行い、関節水腫(関節液の増加)を調べます。
全身の高い発熱や、局所の腫脹・熱感がみられる場合は、他の疾患(化膿性股関節炎)が疑われるため血液検査などの検査が必要になります。
原因・病態
安静(運動制限)にて数日から1週間程で自然治癒することがほとんどで、とくに関節穿刺や内服薬は必要としません。ほとんどのケースで、症状の消退とともに何ら後遺症は残しません。
運動制限を行っても強い痛みが続いたり1週間以上症状が改善しない場合は、入院して牽引治療を行うことがあります(提携先の病院をご紹介いたします)。また、再発を短期間で繰り返す場合や、1か月しても症状の消失がない場合には、他の疾患の可能性を念頭にレントゲンの再検査やMRIによる詳しい検査が必要となります。
症状
動きはじめや立ち上がり、階段の上り下りで膝が痛むようになります。
・しゃがみ込みや正座など膝を深く曲げることがつらい
・まっすぐに伸ばすことができない
・膝に水がたまることで腫れる
・膝が変形してO脚になる
などの症状があります。
原因・病態
正常の膝関節は関節の表面を覆っている軟骨があり、骨同士がぶつかり合わないようクッションの役割をしています。変形性膝関節症は、軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じることで痛みがある状態です。
原因は1つではなく、膝のけがや病気、加齢や体重増加などが要因になることがあります。
治療
まずは保存療法で進行をおさえ、症状の改善を図ります。
・体重をコントロール(減量)し、運動の見直しで膝への負担を軽減します。自転車こぎや水中歩行は、膝に負担をかけずに柔軟性や筋力アップに効果があるため、おすすめです。
・ふとももの前の筋肉、股関節の外側の筋肉を鍛えることは、痛みの軽減に効果があります。
・ホットパックや電気刺激などのリハビリテーションをします。
・サポーターや足底板を用いて、膝の安定や負担軽減を図ります。
・痛みを軽減させる内服や外用剤(湿布・塗り薬)を使用します。近年は、より効果の高い薬剤を選択することができるようになっています。
・ヒアルロン酸の関節内注射は、関節液を正常なはたらきに近づけ、膝の痛みの軽減し炎症をやわらげる効果があります。週に1回を5週間程度続け、その後は症状に応じて継続することもあります。 上記の保存治療を、症状の程度に応じて組み合わせて行います。保存治療を行っても十分な効果が得られないときは、手術(関節鏡視下手術、高位脛骨骨切り術、人工関節置換術)を選択することもあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
小学高学年から中学の発育期にある子供の、下腿近位の骨(脛骨粗面 けいこつそめん)が徐々に突出して、痛みを生じてくるものをいいます。時に赤くはれたり、熱をもったりします。
ジャンプやボールを蹴るスポーツ等で、動作を繰り返すことで生じてきます。休んでいると痛みがなくなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
急激に身長が増加する成長期に特徴的な疾患です。症状とレントゲン検査により診断します。
原因・病態
大腿の前の筋肉(大腿四頭筋)の力は、膝蓋骨(しつがいこつ)を介して膝を伸展させる力として働きます。
ジャンプやキック動作により膝を伸ばす力が繰り返し加わり、大腿四頭筋が膝蓋腱を介してその付着部(脛骨粗面)をけん引するために、脛骨粗面の成長線に過剰な負荷がかかり成長軟骨部が剥離することで生じます。
治療
成長期の一過性の病気で、成長が終了すると多くは治癒します。
症状を強くさせないためには、大腿四頭筋を伸ばすストレッチや痛いところのアイスマッサージなどを行います。痛みが強いときのみ、薬を飲んだり湿布をします。
痛みがなくなればスポーツ復帰が可能ですが、3-6か月はスポーツをすると症状が強くなるので、前後にストレッチやアイスマッサージ、ベルトを装着した上でのスポーツをすることをお勧めします。
症状
前十字靭帯は、大腿骨と脛骨を膝関節の中で結ぶ強固な靭帯です。主に脛骨の前方移動を抑制し、膝関節の安定を保つ重要な役割をはたしています。
前十字靭帯は主にスポーツの際に、損傷することがしられています。
受傷した瞬間に、断裂の音(ポップ音)が聞こえることが多く、脱臼感(『外れた』感じ)を自覚します。受傷直後は立位歩行が不能になることが多く、受傷後12時間以内に関節の腫れを生じ、病院で膝の穿刺をすると血種が引けます。
急性期をすぎると、膝の曲げ伸ばしや荷重歩行はできるようになりますが、膝のずれる感じ(膝くずれ)を自覚したり、合併した半月板損傷のために痛みや引っかかり感を自覚します。
原因・病態
柔道やラグビーなどのコンタクトスポーツにおいて、相手選手と接触して膝を外反強制したり(接触型損傷)、バレーボール等におけるジャンプの着地やバスケットボール等での急な方向転換で膝を捻って受傷(非接触型損傷)します。
診断は、受傷機転の問診、徒手的な検査、さらにMRIにより行います。
治療
断裂した前十字靭帯が自然修復することは稀であり、ほとんどの方が前十字靭帯不全・欠損膝と呼ばれる不安定な膝となります。スポーツ活動に支障をきたすばかりか、放置すると半月板損傷・関節軟骨損傷へと進行し、早期に変形性膝関節症になることも多いです。
スポーツ等で膝を傷めたら、捻挫で済ませずに整形外科の専門医の診察を受けることが大切です。
急性期においては、ギプスなどの外固定は行わず、可動域訓練を行い膝機能の回復・筋力低下の防止に努めます。
前述した通り、断裂した前十字靭帯はそのままでは癒合(自然治癒)しないことがほとんどです。受傷後1か月ほどで痛みがとれ、日常生活には支障がなくなることがほとんどですが、それは断裂に伴う炎症が落ち着いたのにすぎず、靭帯は切れたままです。
膝くずれ等の不安定感がある方、今後ジャンプや全力走などを含むスポーツ活動をする方は、靭帯を再建する手術を検討します。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
半月板は膝関節の内側・外側にある三日月型をした軟骨様の組織で、荷重の分散、関節の安定化、クッション材としての役割をはたしています。
半月板の損傷に伴い、荷重歩行の際に痛みを感じたり、膝の曲げ伸ばしなどの動作でひっかかりを起こす場合があります。半月板が挟まりこんで膝が屈伸できなくなる「ロッキング症状」を起こすと、痛みで歩けなくなるなど生活に支障がでます。
原因・病態
若い人では、スポーツや仕事において、ジャンプからの着地や切り返し動作で膝を捻って受傷します。前十字靭帯など他の靭帯損傷に合併して損傷することもあります。
高齢者では、加齢により傷つきやすくなっている半月に軽微な外力が加わって損傷します。
診断には、問診・身体所見に加えて、MRIを撮影して判断します。
原因が様々であるため、損傷の形も、縦断裂・横断裂・水平断裂・変性断裂など様々です。
治療
治療は、保存療法と手術療法に分けられます。
半月板実質は血流に乏しく、断裂を起こすと自然治癒しにくいことが知られています。
痛みが主症状で、曲げ伸ばしの制限や日常生活での支障がそれほど強くない場合は、保存療法を行います。膝周囲の筋力訓練や関節内注射を行います。
ロッキングにより関節可動性が損なわれたり、引っかかりの頻度が高い場合・疼痛による日常生活動作の制限がある場合には、手術を検討します。断裂の形態や、年齢、活動度に応じて、半月板の縫合あるいは部分切除を、関節鏡という内視鏡を用いて行います。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
鵞足(がそく)は膝の内下方(脛骨粗面(けいこつそめん)の膝蓋腱(しつがいけん)付着部から2横指遠位の内側)にあり、縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はっきん)・半腱様筋(はんけんようきん)のそれぞれの停止部が共通腱となって脛骨に付着する部位の名称です。
鵞足にある筋腱および滑液包に炎症が生じ、立ち上がり動作・階段昇降動作・ランニングや各種スポーツ動作(ラグビー、サッカー、アメリカンフットボールなど横方向の動きが要求される種目)などで膝内側の痛みを引き起こします。
原因・病態
鵞足筋腱とその下層にある滑液包への、繰り返される引っ張り・摩擦(まさつ)ストレスが原因となります。
スポーツ愛好者・肥満傾向にある中年女性・ハムストリング(大腿後面の筋肉)の柔軟性に乏しい方に好発します。
膝関節の外反・下腿の外旋など、下肢のアライメント異常も、誘因となることがあります。
治療
・消炎鎮痛の外用剤や、痛みが強い場合は内服薬の処方を行います。
・ステロイドを含む局所麻酔薬の局所注射は診断手段としても治療手段としても有用です。当院ではエコーを使用して安全確実な注射を行っています。
・ハムストリングの緩やかなストレッチングを行います。
・疼痛が改善しても1ヶ月程度は過度な運動などの負荷を控えたほうが良いでしょう。
・下肢アライメントの異常により鵞足炎が出現している場合は、足底挿板の使用も検討します。当院では、義肢装具士によるインソールの作成を行っております(義肢装具士は、義肢及び装具の装着部位の採寸・採型、製作及び身体への適合を行うことのできる国家資格です)。
症状
階段昇降やランニングの際に、大腿骨外側上顆部(膝の外側)に痛みを感じます。同部位を押すと痛みが誘発されます。ランニングでは特に後半に、下り坂で痛みが強くなることがあります。
初期には、ランニングの休止により治まりますが、休まずに無理して継続していると、痛みのため膝の屈伸ができなくなります。
原因・病態
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)は腸骨から脛骨に至る靭帯で、膝の屈伸時に大腿骨外側上顆の上を前後に移動します。長距離のランニングやサイクリングの様に膝の屈伸を繰り返す運動により、この部位に機械的な刺激(過度の摩擦)が生じ、炎症をもたらします。特に長距離ランナーに多く、代表的なランニング障害の一つといえます。
内反膝(いわゆるO脚)や、下腿内旋などのアライメント不良が発症の一要因となります。ハイアーチ等の足部の形態によって、下肢のアライメントがtoe in – knee outになり、膝関節の内反・下腿内旋がおこることで腸脛靭帯の伸張が起こります。シューズやサーフェイス(地面)の状態も発症に関係があり、クッション性の悪いシューズや、外側がすり減ったシューズを続けて使用していると、腸脛靭帯に衝撃・緊張が加わりやすくなります。
路肩など路面が斜めに傾いた道路では、低い方の下肢の腸脛靭帯に緊張が加わりやすくなります。ウォームアップ不足も、腸脛靭帯の柔軟性が低下しているため要注意です。
治療
痛みを軽減させるとともに、発症の要因に対するアプローチ・改善が治療の原則です。
ストレッチングが有効で、運動前に腸脛靭帯のストレッチングを入念に行います。炎症が強い運動後には、疼痛のある部位のアイシングを行います。慢性化している場合には、ストレッチ前に温めると効果的です。痛みが強い場合には消炎鎮痛剤の内服や外用剤に加え、ステロイドの局所注射を行うこともありますが、期間・回数を限定し、反復して使用することは避けます。
発症の明らかな要因を検討し、それを排除します(傾いた路面でランニングしている場合は走る場所を変更する、シューズの摩耗やクッション性を確認する)。
症状
背筋を伸ばして立ったり歩行を始めたりすると、しばらくして太ももや膝から下にしびれや痛み・つっぱり感があらわれ、徐々に強くなり歩きづらくなります。少し前かがみになったり腰掛けたりすると症状が軽減され、再び歩けるようになります。
このように、歩行と休息を繰り返す間欠跛行(かんけつはこう)、前かがみで少し休むと症状が楽になるのは、腰部脊柱管狭窄症の特徴です。
原因・病態
脊骨には脊髄の神経が通るトンネル(脊柱管)があり、神経は骨・椎間板・椎間関節・靭帯に囲まれてそうこうしています。加齢・労働等によって、椎間板が変性したり靭帯が厚くなって脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され血流が低下して発症します。
背筋を伸ばして立つと、神経がより圧迫されるために痛みやしびれを感じます。座ったり前かがみになったりすると、背骨の中を通る神経への圧迫が少なくなるため、症状が楽になります。
治療
リハビリテーション、コルセット、お薬(神経の血行を良くする薬や、神経由来の痛みを緩和するお薬)で症状の改善をはかります。歩行障害により日常生活に支障をきたすようであれば、手術で神経の圧迫を取り除くこともあります。
動ける範囲内でできるだけ体を動かすようにしてください。前かがみになると症状が和らぎますので、歩く際には一本杖やシルバーカーを使って腰を少しかがめると良いでしょう。自転車での移動は痛みが起こりにくく、良い運動になります。
症状
腰臀部から脚の後ろ側にかけて、痛みやしびれ・足に力が入りにくくなる麻痺の症状(いわゆる坐骨神経痛)があります。
原因・病態
椎間板は、背骨を構成している椎体と椎体の間にあってクッションの働きをしています。椎間板が加齢などで変性したり、悪い姿勢での動作や作業が原因となって、椎間板の中の髄核が脊柱管の中に出てきて神経を圧迫することで、痛みやしびれといった症状が出ます。
治療
・痛みが強い時期は、安静を心掛けてコルセットなどをします。
・いわゆる消炎鎮痛剤のほか、神経障害による痛みの治療薬、筋弛緩薬等の内服を行います。
・神経ブロックにより、局所麻酔薬で痛みの伝達をブロックします。
・腰部の牽引や、身体機能改善を目的としたリハビリテーションを行います。
上記の保存治療を、症状の程度に応じて組み合わせて行います。保存治療を行っても十分な効果が得られないときや、膀胱や直腸などに別の障害が現れた場合は手術を選択することもあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
典型的な症状は、運動・練習量の増加に伴い、徐々に下腿内側の下1/3やや後方に広い範囲(5~10cm)で痛みが出現するものです。陸上競技の中・長距離選手や、サッカー・バスケットボールなど走ることの多い競技に起こり、両側にみられることが多いのも特徴です。オーバーユースによる代表的なスポーツ障害の一つといえます。
原因・病態
下腿(脛骨)には、ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋といった下腿筋群が付着しています。走動作により筋の牽引が繰り返され、骨の表面で過労性(疲労性)骨膜炎を引き起こします。シューズの状態(すり減ったかかとや、クッション性の悪いもの)、サーフェイス(硬い路面での練習)、ウォームアップ不足、極度の扁平足も要因となります。
圧痛が限局した範囲で特に強い場合は疲労骨折の可能性があるので、疑わしければレントゲン検査で骨変化が無い事の確認が必要です。骨変化があれば疲労骨折と診断されます。MRIなどによる詳細な検査を行うこともあります。
治療
痛みを軽減させるとともに、発症の要因に対するアプローチ・改善が治療の原則です。
運動中に痛くてもパフォーマンスに影響しない程度であれば練習量の制限は必要なく、アイスマッサージ、ヒラメ筋を主とした下腿筋群のストレッチングを行います。運動中の痛みにより走動作に影響している場合は練習量の制限・休止が必要になります。アイスマッサージ、ストレッチング、消炎鎮痛剤の内服・外用を行います。痛みが軽快しランニングを開始しても、ストレッチは必ず続けるようにします。
扁平足による足底アーチの低下や過回内足の改善には、テーピングや衝撃吸収性と内側アーチを備えたインソールの使用が有効です。当院では、義肢装具士によるインソールの作成を行っております(義肢装具士は、義肢及び装具の装着部位の採寸・採型、製作及び身体への適合を行うことのできる国家資格です)。
トレーニング内容やシューズを再検討する(クッション性が良くかかとの安定したものを選ぶ)ことも予防につながります。
症状
典型的な症状は、運動・練習量の増加に伴い、徐々に下腿内側の下1/3やや後方に広い範囲(5~10cm)で痛みが出現するものです。陸上競技の中・長距離選手や、サッカー・バスケットボールなど走ることの多い競技に起こり、両側にみられることが多いのも特徴です。オーバーユースによる代表的なスポーツ障害の一つといえます。
症状
小学高学年から中学の発育期にある子供の、下腿近位の骨(脛骨粗面 けいこつそめん)が徐々に突出して、痛みを生じてくるものをいいます。時に赤くはれたり、熱をもったりします。
ジャンプやボールを蹴るスポーツ等で、動作を繰り返すことで生じてきます。休んでいると痛みがなくなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
急激に身長が増加する成長期に特徴的な疾患です。症状とレントゲン検査により診断します。
症状
アキレス腱付着部症は、アキレス腱や腱の周囲の組織に炎症を起こした状態で、腱の周囲の炎症をアキレス腱周囲炎といいます。原因としては、ダッシュや踏み込み、ジャンプなど急に筋肉がのばされた際に発生します。
症状
骨粗しょう症は、骨の中のカルシウム量が減り、骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の一番の問題は、骨折しやすくなることです。
背中・腰の骨が体の重みなどによってつぶれる「圧迫骨折」、転倒により脚のつけ根が折れる「大腿骨近位部骨折」が起こりやすくなります。特に大腿骨骨折は入院・手術が必要になることが多く、歩くことができない期間があるために「寝たきり」になる可能性が高まります。寝たきりになり、今まで自分でできていたことが困難になると「うつ病」や「認知症」を患うリスクが高まります。
結果的に介護が必要になるなど、ご本人はもちろんご家族にとっても大きな負担となってしまいます。
原因・病態
加齢、閉経、カルシウム不足、運動不足などが骨粗しょう症になりやすい要因です。
治療
※診断
まず症状や病歴をお聞きしたり、背骨の変形などの身体所見を診察したりしてから、その後検査を行います。
骨粗しょう症の診断には、DEXA(デキサ)を用いて、腰椎と大腿骨近位の骨密度を測定します。骨折の発生頻度の高い部位を高い精度で測定することができます。
当院では最新式の装置(米国GE社製)を導入いたしました。入射線量が通常の胸部レントゲンの約1/6程度と低被ばくで、体に優しい装置です。
背骨も骨折していないかどうかを確認するために、レントゲン(エックス線検査)を行います。
当院のレントゲン装置は、無用なエックス線をシャットアウトして被ばくを低減する安心のインターロック機構を装備したシステムです。
※予防
適度な運動は骨を刺激し、丈夫な骨を作ります。また、骨に対する適度な負荷(運動)により、摂取したカルシウムが骨にくっつきやすくなります。年齢に関係なく、負荷がかかると骨自体が強くなっていきます。
バランス運動やストレッチを行うことで、骨折の原因となる転倒の危険性が減ることも分かっています。背中や腰に症状のある方は無理をせずに、行える範囲内の運動にしましょう。
カルシウムは骨を作っている重要な栄養素で、骨粗しょう症の予防や治療に欠かせません。カルシウムは成人男性で1日に約650-700㎎、成人女性では約650㎎摂取することが推奨されています。丈夫な骨を保つためにはこれに約100㎎を上乗せし、1日に750㎎-800㎎を目安にするとよいでしょう。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨を作るのに重要なビタミンKを多く含む食品を取ることも大切です。ビタミンDはきのこ類や魚類等、ビタミンKは緑色野菜や納豆にたくさん含まれています。量を控えた方がいい食品としては、加工食品や食塩、カフェイン、アルコールなどが挙げられます。
日光(紫外線)に当たることでも、体内でビタミンDが作られます。夏なら木陰で30分、冬では顔や手に1時間ほど日光を浴びることが推奨されます。 ガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しではなく屋外での日光浴をおすすめします。
症状
主に腰や背中に痛みを生じます。新規に生じた骨折(新鮮骨折)では急性の腰背部痛がでます。骨折の癒合(くっついて固まること)後も背骨の変形が残った場合、背骨の支持性の低下に伴って筋疲労を生じ慢性の腰背部痛となります。
腰や背中が曲がり、身長が低下します。背骨の変形が強くなると、前屈みの姿勢が内臓を圧迫して、消化不良や便秘・逆流性食道炎などの消化器症状、息苦しさなどの心臓や肺の症状の原因となります。
原因・病態
骨粗しょう症という、骨の中のカルシウム量が減って骨の密度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気が原因です。尻もちをつくように転倒しての発症が典型的ですが、骨粗しょう症の程度がひどい場合、日常の生活の中でいつの間にか骨折を生じることもあります。
一般に、骨折してつぶれた椎体は、数か月の経過のうちに圧潰変形(つぶれたままの形)を残したまま癒合して治癒します。 しかし中には椎体の圧潰がどんどん進行し、骨折部が癒合しないまま、高度の腰曲がりと長引く痛みを残す場合があります。稀ではありますが、徐々に両脚がしびれて動かしにくくなるような神経の麻痺症状が、骨折後しばらくしてから現れる場合もあり、注意が必要です。
治療
圧迫骨折を起こさないよう、骨粗しょう症の治療を行うことが重要です。食事・運動・お薬による治療を組み合わせて行います。
圧迫骨折の治療は、コルセット等による体幹の固定、痛みに対する内服・注射、さらにリハビリテーションを組み合わせて行います。
これらの保存療法が無効の場合に、手術(骨の中にセメント等の補強材料を充填して痛みを緩和する低侵襲手術や、金属スクリューなどの内固定器具を用いた背骨の再建手術など)が選択されることがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関の医師をご紹介いたします。
症状
手首には強い痛みがあり、腫れを生じます。転位(ずれ)がある場合には変形も伴います。指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定で反対側の手で支える必要があります。手指のしびれが生じたり、後日、母指を伸ばす腱が切れたりすることがあります。
原因・病態
手のひらをついて転んだり、自転車等で転倒して、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首のそば(遠位端)で折れる骨折です。特に閉経後の女性は骨粗鬆症のために骨が弱いことが多く、好発します。若い人でも、高所からの転落や交通事故などで強い外力が加わることで骨折します。
前腕のもう1本の骨である尺骨が同時に折れる場合もあります。
橈骨の手のひら側を走行している正中神経が、折れた骨や腫れで圧迫されることにより、手指のしびれを生じます。
診断にはレントゲン撮影を行います。治療方針の決定のために、CTを追加して行うこともあります。
治療
骨折の転位(ずれ)が軽度であったり、転位があっても整復を行って骨折部が安定している場合は、ギプス固定による保存的治療を行います。成人では4-5週間の固定を行います。ギプス固定中であっても手指は努めて動かすようにします。
整復直後でも骨折部が不安定ですぐにずれるものや、ギプス固定をしても再度転位してしまうような場合には、手術が必要になることもあります。手首の関節面の骨片がずれたままで整復できない場合や、骨折部の粉砕が強く不安定な場合も、手術を選択することがあります。提携先病院を中心に、十分な手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。
症状
頚部や後頭部の痛みやこわばりの症状が主です。時には手足のしびれや、頭痛・吐き気・めまいを伴うことがあります。
交通事故から2~3日経って症状がでることもあります。
放置するうちに症状が悪くなることもありますので、早めに医療機関を受診して正確な診断と治療を受けしょう。
原因・病態
交通事故による外力が頚椎部に加わったことによる、頚椎支持組織(靭帯、椎間板、関節包、周囲や筋組織)の損傷です。
治療
・痛みに対して、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの内服、外用剤(湿布・塗り薬)を使用します。
・痛みがあまりに強い場合は、安静を優先し、頚椎カラーによる固定を追加することもあります。ただし、頚椎カラーの長期間使用は首周囲の筋力低下の原因にもなりえるため、固定期間は1-2週間程度としたほうが良いでしょう。
・医師の監督の下にリハビリテーションを行います(機器を用いての消炎鎮痛リハビリテーションや、理学療法士による徒手療法、運動療法が中心となります)。
・症状・経過によっては、MRIなどの精密検査を行います。当院では、他医療機関との連携によるMRI検査などの紹介も積極的に実施しています。
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